店舗の立退きと営業補償はどこまで求められるのか

COLUMN / 立退き・明渡し(店舗・事業テナント側)

店舗の立退きと営業補償はどこまで求められるのか

店舗や事業所の立退きを求められたとき、まず気にかかるのは営業を続けられなくなる分の補償だと思います。通常の私人間の普通借家を前提に、営業上の損失が何を通じて考慮されるのか、内装や設備はどう扱われるのかを、借主・テナントの立場から順に見ていきます。

店舗の立退きで最初に探したくなるのが、「営業補償」という名前のまとまった補償です。ところが、その名前の独立した権利は法律に見当たりません。かといって、決まった額が自動で出るわけでも、泣き寝入りするしかないわけでもない。

ここで大事なのは、店舗の立退きでお金が動く仕組みは一つではなく、性質の違ういくつかの筋が絡んでいるという点です。名前のついた一つの権利を探すのではなく、筋ごとに切り分けて見ていくと、自分の場合に何をどこまで求められるかが見えてきます。

そもそもの発端は、貸主や管理会社から、契約は更新しない、建物を返してほしい、と切り出される場面でしょう。店舗や事業所を借りて商売をしている側にとって、まず頭をよぎるのは、営業を続けられなくなる分の補償はどうなるのか、という点だと思います。

移転にかかるのは引っ越し代だけではありません。内装に相応の費用をかけ、常連の客もついているとなれば、その損失を貸主が見てくれるのかどうかは、切実な問題です。以下では、通常の私人間の普通借家の立退きを前提に、店舗ならではの問題を順にほどいていきます。

「営業補償」は独立した請求権なのか

店舗の立退きでまず出るのが、「営業補償はいくらもらえるのか」という問いです。ところが、法律に「営業補償請求権」という独立した権利が定められているわけではありません。営業の損失は、別の仕組みの中で考慮されます。

貸主が、期間満了や解約の申入れによって借主に出て行ってもらうには、正当な事由が必要です(借地借家法28条)。期間満了で更新を断るには満了の1年前から6か月前までの通知が(借地借家法26条)、期間の定めのない契約の解約申入れは申入れから6か月の経過が(同27条)、それぞれ必要で、いずれにも正当事由が求められます。

この正当事由は、次の事情をあわせて見て判断されます。

  • 貸主・借主それぞれが建物を必要とする事情
  • これまでの経緯
  • 建物の利用状況や現況
  • 貸主が明渡しの条件として申し出た財産上の給付

この「財産上の給付」が、一般に立退料と呼ばれているものです。営業の損失に対する補償も、この立退料を組み立てるときの一要素として扱われます。「単独でこれだけ払え」と切り出せる権利ではなく、立退料という一つの金額の中身にあたる、ということです。

この見方は、借主にとって二方向に効いてきます。正当事由がそもそも認められなければ、貸主は立退料をいくら積んでも明渡しを実現できないことがあります。立退きに応じるかどうかは、まず貸主側にどれだけの事情があるかで変わってくるわけです。

ただ、それは裏を返せば、立退料はあくまで正当事由を補うものだ、ということでもあります。借主が被る損失の全部が当然に埋め合わされるとは限りません(最高裁昭和46年11月25日判決)。

立退料そのものが何によって決まるのか、金額を動かす事情については、「立退料はどう決まるのか」で全体の枠組みとして取り上げています。この記事では、そのうち店舗・事業用だからこそ関わってくる部分に絞って見ていきます。

店舗だから立退料に乗ってくる損失

店舗の立退きでは、移転費用や賃料差に加えて、住居の立退きでは出てこない、営業にまつわる損失が加わります。

損失の項目住居店舗・事業用
移転の実費(引っ越し・敷金礼金等)主要な要素同じく要素になる
移転先との賃料差主要な要素要素になる
内装・設備に投じた費用の未回収分事案による検討対象になり得る
営業を休む間の休業補償検討され得る
移転による売上げの落ち込み(営業減収)検討され得る
借家権の価格方式による方式によっては加味されるが、用いない判断もある

なお、各項目は単純に足し合わせるものではなく、同じ損失を二重に数えないよう調整されます。立退料の額の出し方は一つに決まっておらず、どの方法で組み立てるかによって、借家権の価格を入れるかどうかが変わります。

ただし、検討対象があることは、店舗なら高額になるという保証ではありません。店舗であっても、建物が耐用年数を過ぎている、借家権の取引慣行がない、といった事情から借家権価格を用いないと判断される場合があります。どの項目がどこまで拾われるかは、個別の判断です。

営業減収をどのくらいの期間で見るかについては、ひとつ注意しておきたい点があります。公共用地の取得に伴い営業規模を縮小する場合の補償基準には、縮小部分に相当する従前の収益・所得の2年分以内という定めがあります。もっとも、これは公共事業のための補償基準であって、私人間の立退料の算定を拘束するものではありません。「店舗の立退きなら営業補償は何か月分」「何年分」といった数字を、この基準からそのまま持ってくることはできません。

自分の店の場合にどの範囲が損失として考慮され得るかは、契約内容・営業の実態・貸主側の事情を具体的に見て初めて見当がつくものです。

内装や設備は買い取ってもらえるのか

「内装や設備は、出ていくときに貸主が買い取ってくれるのか」。これも店舗の立退きで問題になる点です。制度としては、造作買取請求権というものがあります(借地借家法33条1項)。

貸主の同意を得て取り付けた造作や、貸主から買い受けた造作について、契約が期間満了や解約申入れで終わるときに、時価での買取りを請求できる、という権利です。ただ、実際にこれが使えるかどうかには、いくつかの関門があります。

まず、造作に当たるかどうかです。造作といえるのは、建物に取り付けられ、その建物の使用に客観的な便益を与える物に限られます。

自分の特定の営業のために特別に付けた設備や、他の業種ではそのまま使えない内装は、この客観的な便益を欠くとして、造作から外れることがあります。造作に当たるかは、次の点から判断されます。

  • 業種を超えて使えるか
  • 建物への取り付けの態様
  • 建物自体の使用に便益を与えるか

さらに、建物と一体になってしまった部分になると、造作買取の対象から外れ、費用償還(有益費)の問題になり得ますが、価値が今も残っているか、契約に放棄の特約がないかを別途確認する必要があります。床や壁の内部に組み込まれた工事などがこれにあたります。

次に、放棄の特約です。造作買取請求権は、当事者の合意で放棄できる規定になっています(借地借家法33条は同法37条の強行規定に含まれません)(平成4年8月より前から続く契約では、旧借家法の関係で特約の有効性を別途確認する必要があります)。事業用の物件で原状回復の特約が置かれている場合には、その特約の内容によっては、造作の買取請求もあらかじめ放棄されていたと解されることがあります。

もっとも、原状回復の条項があれば当然に造作買取が消えるわけではなく、放棄と読めるかは条項の書きぶり次第です。自分の契約書がどうなっているかは、確認しておく意味があります。なお、賃料の滞納など借主側の落ち度で契約が解除された場合には、造作買取請求は認められません。

結局、内装・設備の買取りは、制度として存在していても、造作に当たるか、特約で放棄されていないかを確認する必要があります。買い取ってもらえると決めつけて交渉を組み立てると、見込みが外れることがあります。かけた費用は、造作買取という筋だけでなく、立退料の算定要素として損失に含めて検討する筋もあります。

退去時の原状回復(スケルトン返し)という別の負担

買取りとは逆向きに、退去のときに建物をどこまで元に戻すか、という原状回復の負担も、立退きと切り離せません。借主は、借りていた間に生じた損傷を元に戻す義務を負います。ただし、通常の使用による損耗や経年変化、借主に責任のない損傷は、この原状回復の対象から外れます(民法621条)。ここまでは住居と同じです。

もっとも事業用では、通常損耗の分まで借主が原状回復費として負担する特約が置かれることがあり、その有効性は条項の内容や契約の経緯を踏まえて判断されます。とりわけ、コンクリート打ちっぱなしの状態(スケルトン)で借りて、退去時もスケルトンに戻して返す、という契約では、借主は内装・設備を撤去してスケルトンに戻す義務を負います。

立退きの局面では、この原状回復が立退料と両建てで問題になります。立退料を受け取る一方で、多額のスケルトン返しの費用を自分で負担する、という関係になり得るからです。なお、建物を取り壊す予定があるからといって、契約上の原状回復義務が当然に消えるとは限りません。他方で、実際に工事をしない場合にまで費用の全額を当然に負担するとも限らず、条項の内容、工事の要否、実際の損害、退去時の合意によって結論が分かれます。

工事に代えて金銭での精算とする場合は、その内容を明渡しの合意書で明確にしておくところです。原状回復をどこまでやるか、費用相当額の負担で済ませられるか(相当額方式)は、立退きの交渉の中で貸主と詰めるところです。契約書の原状回復条項がどうなっているかは、立退きの実質的な損得を左右します。

定期借家だと前提が変わる

ここまでは、契約が更新されていく普通の建物賃貸借(普通借家)を前提にしてきました。普通借家であれば、貸主側に正当事由がない限り契約は法定更新され、借主が直ちに出て行かなければならないわけではありません(借地借家法26条・28条)。ところが、契約書が定期建物賃貸借(定期借家)になっていると、この前提が変わります。

定期借家は、更新がないことを定めた契約で、期間が満了すれば契約は終了します(借地借家法38条)。この場合、貸主に正当事由は要りません。ただし、期間が1年以上の場合、貸主は満了の1年前から6か月前までに「期間満了で契約が終了する」旨の通知をしなければ、その終了を借主に主張できません。通知が遅れた場合も、通知の日から6か月を経過するまでは同じです(借地借家法38条6項)。

正当事由を補うための立退料、という発想が基本的に働かないため、有効な定期借家が、所定の手続を経て期間満了により終了する場合には、立退料や営業補償を当然に求められるわけではない、ということになります。自分の契約が定期借家かどうかは、まず確認しておく必要があります。表題に「定期建物賃貸借契約書」と書いてあることは、決め手になりません。

もっとも、貸主が「これは定期借家だ」と説明していても、それだけで定期借家として通用するとは限りません。法律上そう認められるには、次のことが要ります(借地借家法38条)。

  • 契約自体を書面または内容を記録した電磁的記録で結ぶこと
  • 契約の前に、契約書とは別個の説明書面を受け取り説明を受けていること(借主が承諾していれば電子的な方法による提供もあり得ます)

この事前の書面交付と説明が欠けていると、更新しない旨の定めは効力を持たず、通常の普通借家として扱われます

普通借家として扱われるとなれば、話は正当事由と立退料の土俵に戻ります。

私がまず探すのは、契約書一式の中に、更新がない旨を記した書面が契約書とは別の書面(または電子データ)で入っているかどうかです。あわせて見るのは時点です。この書面の交付と説明は契約の締結に先立って行うものとされているので(借地借家法38条3項の「あらかじめ」)、説明書面の日付が契約書の日付より前か同日か、そして日付が空欄のままになっていないかを確かめます。実際の書類では、日付が空欄のまま綴られていることがあります。空欄だからといって説明がなかったと直ちに言えるわけではなく、周辺の事情から、締結に先立つ説明があったと事実認定されることもあり得ます。それでも、事前の説明が本当にあったのかを争う余地は、そこから生まれます。そして、争う余地はそのまま交渉の材料になります。定期借家として認められないリスクが貸主の側に少しでも生じれば、そのリスクの分だけ、立退料や退去の条件で歩み寄る理由が相手に生まれるからです。

金額の前に、私が見立てること

営業補償の項目を並べる前に、私がやるのは、その事案の交渉のパワーバランスの見極めです。見るのは、相手がどれだけ急いでいるか。貸主側の計画がどこまで固まっているかに加えて、立地や周辺の規制など、計画の本気度を裏づける事情も確かめます。

相手が急いでいる場合。解体や新しい建物の日程まで決まっていれば、明渡しの遅れはそのまま貸主の損失になります。時間は借主の味方です。

計画が固まっていない場合。時間をかけても条件が動かないことがあります。そのかわり、固まっていなさ自体が、貸主側の使用の必要性——つまり正当事由——の弱さを示す材料になり得ます。

急いでいる相手との間では、ここにトレードが生まれます。相手にとって重要なのは時間で、こちらにとって重要なのは金額。だから、貸主が時間をお金で買う——早い明渡しに金額を乗せる——という交換が成り立ち得ます。交渉の教科書で統合型交渉と呼ばれる形ですが、理屈は単純で、双方の欲しいものが違うからこそ、両方が得をする組み方ができるということです。

そのうえで、時間をかけること自体の自分の持ち出しも、勘定に入れます。その間の家賃、移転準備の宙づり、営業への影響。粘る交渉か、条件を整えて早く決める交渉か。ここまで見立ててから、補償項目の積み上げに入ります。この見極めは一度やって終わりではなく、相手の出方を見ながら交渉の中で更新していくものです。それでも、最初の見立てがずれていると、後からの軌道修正はずっと苦しくなります。

どう進み何をそろえておくか

立退きの話は、おおむね次の順で進みます。

  1. 貸主からの申入れ、または契約更新の時期に、話が始まる
  2. 立退きの条件について話し合う
  3. まとまらなければ、貸主から建物明渡しを求める交渉・訴訟へ進む

かかる期間や費用は、貸主側の事情の強さ、こちらの営業の実態、双方の歩み寄り次第で変わり、一律の見通しを示すことはできません。立退料や営業補償の額も、これらの事情を具体的に見なければ、幅すら申し上げにくいのが正直なところです。

額の話より先に聞き取るのは、貸主がいま建物を何に必要としているのかです。ここが弱ければ、いくら払うかではなく、そもそも出て行く前提から見直すことになります。

それでも、話し合いに入る前に手元を整えておくと、自分の損得を具体的に測ったうえで臨めます。売上げの資料は、直近の分だけでなく、立退きの話が出る前の時期まで並べてください。落ち込みは、比べる相手がなければ示せません。用意しておきたいのは、次のあたりです。

実務メモ / 相談前にそろえておくとよい資料

  • 契約書ひとそろい(普通借家・定期借家の別、更新・解約の条項、原状回復の特約まで)
  • 内装・設備にかけた費用がわかる資料(見積書・請求書・工事の内容がわかるもの)
  • 直近の売上げがわかる資料(営業減収や休業の影響を具体的に示すため)
  • これまでのやり取りの記録(いつ、どのような形で明渡しを求められたか)

内装の見積書は、総額よりも何にいくらかけたかの内訳が残っているかが効きます。造作に当たるかどうかも、退去時にどこまで撤去するかも、内訳を見ないと切り分けられません。

返答や合意を求められている段階なら、その前に、自分がいまどの場面にいるのかを確かめておくのが先決です。契約や貸主側の事情の確かめ方は、「立退きの返事前に確認すること」でも書いています。

店舗の立退きで、営業補償はいくら請求できるのですか。

通常の私人間の普通借家では、営業補償を独立の請求権として定めた法律の規定はありません。損失の実額がそのまま支払われる建付けではなく、貸主が明渡しの条件として申し出る立退料の中で考慮される一要素です(借地借家法28条)。そのため、決まった額が自動的に支払われるわけではなく、貸主側の正当事由の強さや、借主がどれだけの損失を具体的に示せるかによって変わってきます。

内装にかけた費用は、造作買取で全部取り戻せますか。

造作買取請求権はありますが(借地借家法33条)、建物の使用に客観的な便益を与える造作に当たること、特約で放棄されていないことが前提になります。特定の営業のための特別な設備は造作から外れることがあり、事業用の原状回復特約で買取請求が放棄されていると解される場合もあります。かけた費用の回収は、造作買取のほか、立退料の組み立ての中で損失として拾う道もあります。

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店舗にかぎらず、立退きを求められた側の対応全般は、立退きを求められた方へ(借主側)のページにまとめています。立場が違う方(建物を貸している側で、正当事由や立退料の考え方をお探しの方)は、立退料と正当事由(貸主側)をご覧ください。

主要な根拠

  • 貸主の更新拒絶・解約申入れに必要な正当事由と、その一要素としての財産上の給付(立退料)(借地借家法28条)… 借地借家法第28条(e-Gov法令検索) 第28条「建物の賃貸人による……通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、……建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」
    営業上の損失は、この「財産上の給付」=立退料の中で考慮される一要素です。
  • 立退料だけで正当事由が満たされるわけではなく、他の事情と補い合ってはじめて正当事由の判断材料となること(最判昭和46年11月25日)… 裁判所 判例PDF 立退料は、他の事情と合わさってはじめて正当事由を支える一要素であり、その額を積むだけで明渡しが当然に通るわけではない、と示した判決です。借主が被る損失の全部を償うことまでは求められない、とも述べています。
  • 造作買取請求と、その放棄を許す規定(借地借家法33条・37条)… 借地借家法第33条(e-Gov法令検索) 第33条第1項「建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。」
    33条は37条の強行規定に含まれず、放棄の特約は有効です。
  • 造作は建物の使用に客観的便益を与える物に限られ、特殊な営業目的で特に付けた設備を含まない(造作の定義を示した裁判例)… 裁判所 判例PDF(東京簡裁平成22年1月25日) 造作とは「建物に附加された物件で賃借人の所有に属し、かつ建物の使用に客観的便益を与えるもの」をいい、賃借人がその建物を特殊の目的に使用するため特に附加した設備の如きを含まない、とした(最判昭和29年3月11日の趣旨を確認)。
  • 賃借人の原状回復義務と、通常損耗・経年変化・帰責事由なき損傷の除外(民法621条)… 民法第621条(e-Gov法令検索) 第621条「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。……)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。」
  • 営業減収の補償期間を従前の収益・所得の2年分以内とする定めは、公共用地取得の補償基準であって私人間の立退料を拘束しない(損失補償基準細則 第28)… 公共用地の取得に伴う損失補償基準細則(国土交通省) 第28「……縮小部分に相当する従前の収益又は所得相当額の2年分以内で適当と認める額とする。」
    これは公共事業の用地取得に伴う補償の基準であり、私人間の立退料の算定を拘束するものではありません。

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自分の店の場合に何をどこまで求められるかは、契約書や内装・売上げの資料に加えて、貸主側の事情やこれまでの経緯まで確かめていくと、検討すべき事柄の輪郭が見えてきます。そこまでご自身で描けるなら、それがいちばん確かです。

ただ、店舗の立退きはお金の筋が入り組んでいて、次のような場合には見立てが難しくなります。返事を決める前に、一度ほどいておくことをおすすめします。

  • 立退料や営業補償の額を示されたが、何を見て算定したのか説明がない
  • 内装・設備の買取りや、退去時の原状回復(スケルトン返し)の負担が争点になっている
  • 「定期借家だから期間満了で終わる」と言われている
  • 返事や明渡しの同意を急かされ、期限を切られている

思い当たる点があれば、契約書と、内装・設備にかけた費用、直近の売上げが分かる資料をお持ちください。応じるべき場面か、まだ交渉できる場面か、資料に即して一緒に見立てます。

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